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最近肌寒くなってきた。

森の木々の葉が色づきはじめている。

10月。

秋である。

空を見ると、ウロコ雲が連なる。

高積雲である。

上空1万メートル。

当然、マイナス何十度の世界。

雲と言っても、氷の粒であろう。

森に目を移すと、そちこちにキノコが顔を出している。

食べられるキノコの種類をわずかしか知らない。

残念。

キノコはむずかしい。図鑑で見ても、わからない。下手に図鑑で見て食べて倒れる人が出る。だから、わたしは、昔から、食べて大丈夫というものしか取らない。

 

ある日の午前中、家でパソコンに向かっていると、猫達が騒いだ。

ふとベランダに目をやると、猿がいた。

フサフサと毛並みの良い、オスだ。まだ若い。

こちらを興味深げに見ていた。

家の中の住人が、動物園の檻の中のいるような気がした。

猿はしげしげと家の中を覗き込んでいた。

目があっても、逃げようとしない。

チャンスとばかりに、近くにあった携帯を持ち出し、写真を撮ろうとしたら、消えた。

この森には、猿の群れが周期的にやってくる。彼らの周回行路の一部に入っているのだ。

毎年、小猿が生まれ、小さな小猿を背中に乗せて移動する母猿や、大きな雄猿など20匹ほどが、木々の実や、葉などを食べながら移動してゆく。

この森に移り住んだが、彼らの方が先輩である。

時折、屋根の上に上がったり、家の周りを仲間同士で追い掛け合ったり、いたずらしたりする。

当初は、恐いのも手伝って、声をあげたり、追い払ったりした。

ここは俺の所だぞってね。

でも、よくよく考えれば、それは人間の勝手な線引きであって、彼らには人間の線引きなんぞ関係ない。猿たちにとっては、彼らの周回路すべてが、彼らのもだ。もう何百年も、いやいや何千年も前からだ。

この森で、暮らし始めてから、様々な動物に出会ってきた。

はじめて出会ったのは、カモシカ。

確か、朝だったと思う。森の木を切ろうと思い、ひらけた場所にきたところ、目の前に大きなカモシカが立っていた。

あちらも驚いたのだろう。

じっと動かず、見つめあった。

大きな雄だと思えた。

シカとはいっても、牛科だそうだ。

嬉しかった。この森でカモシカに出会えた事に。

その後、イノシシに地上を這わせた電気コードを食いちぎられ。子らは、ウリボーに出会った。

猿は日常茶飯事に出会う。この森の人々は、猿たちと自然に付き合っている。

彼らは彼らで、この森が作り出す自然な物を食べて暮らす。

決して、彼らに餌は与えない。与えれば、人間の周りに集まって来て問題が起きる。

人間も、猿も、遠目で互いの存在を認め合っているのだ。

熊には出会った事はないが、時折現れるらしく、注意のポスターが張られたり、公報がでたりする。

子らは、よく響く鈴を鳴らしながら学校へ行く。

その他では、最近、森の小道を歩いていると、50メートル程先に子連れのキツネを見つけた。

嬉しかった。

数年前、ぴぱの近くでもキツネを目撃している。ただ、確信はもてない。夜、車のライトに照らしだされた姿だったからだ。

森で遭遇したキツネは、その後も出会った。

数日後の事だ。

森の作業場に出かけたら、板材の上にかけてあったシートの上に、キツネが寝ていたのだ。

またまた、うれしかった。

あとは、野良猫。

鳥は様々。カラスに、鳶に、四十雀。それから名前の知らない鳥が沢山。

そうそう、森の作業小屋の柱に穴を開けた、キツツキ(ヤマゲラ)。

作業中に、コンコンと音がしていた。近いなー、と思っていた。ある時、小屋の柱に穴が開いているのを発見した。

虫が柱の中にいたのだろう。

鳥の鳴き声はあちこちから常にしている。

そうそう、ぴぱのあたりでも、よく、野ハトの声を聞く。

野バトの声は好きな声だ。深い山の中にいるような気がしてくる。

足元に目を向けると、トカゲが走る。

昔大嫌いだった、体が丸く、足が糸のように細く長い蜘蛛。そして、カマドウマ。

様々な虫達。

慣れは凄い。今では気にならない。

蜘蛛の中で好きなのがいる。昔から。

ハエ取り蜘蛛。

こいつはカワイイ。大きな目がふたつ、その他小さい目があちこに5個ぐらいついている。足は短いが、動きがいい。

ハエ取りグモと言われるだけあって、ピョンピョン飛ぶ。

蜘蛛たちは、小さな虫を捕ってくれる。人間にとって益虫である。

虫にも相当慣れたが、ハチは別。

何度も刺された。

虫といえば、ぴぱに、一時、毛虫がゾロゾロ現れた。

ぴぱに現れたというより、毛虫がいるところに、ぴぱが建てられたというところか。

もう、数十年も前に植えられた、グランドのサクラの木に、その昔から繁栄し続けている毛虫達。

あんなに沢山いるのに、捕食者が現れないのは不思議だ。

時折、消毒してもらっているが、その生命力は偉大だ。

今後も、適度に付き合って行く事になるのだろう。

 

秋は、少々寂しい気分になる。

田んぼの稲も刈り取られてゆく。

収穫の秋を喜び、あちこちで秋祭りが行われていた。

森の近くの神社でも、奉納の踊りが献上され、山車が引かれた。

杉林の中の夜の神社に、人々が集まり、ほの暗い光の中で祭りが進む。

遠い昔から、繰り返されて来たのだろう。

今と違い、楽しみの少なかった昔、農作業が終わった秋に、村人が集まり、踊りや山車引き、酒と歌で、楽しんだのだろう。

そんな流れが、今でも森の神社を取り巻く人々に守られて、続いている。

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